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特権IDとは?管理不備のリスクとポイントを解説

~現状分析ができるチェックシートや指南書もご案内中~

内外のセキュリティ脅威から重要システムを守るための最後の砦
特権IDの適切な管理の必要性

特権IDの管理 できていますか?

特権IDとは

特権IDとは、WindowsのAdministrator、UNIX/Linuxのrootに代表される、OSやデータベースなどのシステムに対して、あらゆる権限が付与された特別なアカウントです。 設定変更やパッチ適用、アプリケーションインストールなどのシステムの保守・運用の際に、必要に応じて利用します。

Administrator

特権ID管理不備のリスク

特権IDは、そのアカウントの持つ権限が特別であることから、管理不備によるリスクが非常に大きいのが特長です。複数のユーザーで使い回ししていたり、安易なパスワードを設定していたりすると、内部不正や外部からの侵入を許してしまいます。 特に重要システム、顧客情報などの機密情報が格納されているシステムに対してこのような事態が発生してしまうと、信用の失墜を招くだけでなく、法的な責任や損害賠償に問われる事態にもなりかねません。

特権ID管理不備のリスク

事業のシステムへの依存度が高まる昨今において、特権IDの適切な管理は、もっとも優先的に取り組むべき対策の一つと言えます。

特権ID管理の重要性が高まる理由

特権IDの適切な管理の必要性や重要性は、J-SOXや金融庁検査などの法規制だけでなく、さまざまな業界のセキュリティガイドラインでも明記されています。

さらに、昨今は以下のような要因から特権ID管理の重要性はますます高まっています。

さまざまなセキュリティ脅威の共通項として特権ID管理の不備が関与

特権ID管理は、その性質上、内部統制や内部不正対策の一環で取り組まれる傾向にありますが、近年はサイバー攻撃の内部対策としてもその重要性が高まっています。

近年の攻撃手法は、不特定多数の企業を狙った「ばらまき型」から「標的型」へ変化し、その名の通り標的とした企業のシステム環境を入念に調査したうえで、さまざまな経路から侵入を試みます。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が2025年に発表した「情報セキュリティ10大脅威2025」の組織編でランクインしている通り、侵入を試みる手口は、ランサムウェアから脆弱性を狙った攻撃、サプライチェーン攻撃まで多種多様です。
一方で、侵入に成功した攻撃者が情報漏洩やシステムの改ざん・暗号化といった最終目的のために狙うのは、システムに対して高い権限を有する特権IDです。特権IDの管理に不備があれば、容易に特権IDを奪取され最終目的を遂行されてしまうわけです。

各種サイバー攻撃の対策として、ウイルス対策ソフトやVPN機器等の脆弱性対策など入口対策に着目しがちですが、攻撃手法が多様化しイタチごっことなる今、侵入されることを前提として、攻撃者の最終目的の遂行を阻止する対策として特権ID管理が重要な位置づけとなっています。つまり、特権ID管理は、内外に潜むさまざまなセキュリティ脅威対策の共通項として、優先的に対策を講じていく必要があるといえます。

▼「情報セキュリティ10大脅威2025」の組織編(色付けしている脅威は特権ID管理の不備が関与)
順位 「組織」向け脅威 初選出年 10大脅威での取り扱い(2016年以降)
1 ランサム攻撃による被害 2016年 10年連続10回目
2 サプライチェーンや委託先を狙った攻撃 2019年 7年連続7回目
3 システムの脆弱性を突いた攻撃 2016年 5年連続8回目
4 内部不正による情報漏えい等 2016年 10年連続10回目
5 機密情報等を狙った標的型攻撃 2016年 10年連続10回目
6 リモートワーク等の環境や仕組みを狙った攻撃 2021年 5年連続5回目
7 地政学的リスクに起因するサイバー攻撃 2025年 初選出
8 分散型サービス妨害攻撃(DDoS攻撃) 2016年 5年ぶり6回目
9 ビジネスメール詐欺 2018年 8年連続8回目
10 不注意による情報漏えい等 2016年 7年連続8回目

引用元:独立行政法人情報処理推進機構「情報セキュリティ10大脅威2025[組織]」

システムの多様化・特権IDを利用する環境の変化

システムを取り巻く環境は以下のような要因からますます複雑化しており、管理・統制の不備や見落としが生じやすい状況下であるため、適切で網羅的な管理が必要不可欠です。

  • クラウド移行やSaaS利用の増加により、管理すべきシステムが広範&多様化

    DX推進を皮切りに、企業が抱えるシステムは種類・数ともに増加の一途をたどっています。今や重要システムのクラウド移行も珍しくない中、IT統制監査で指摘されるような基幹システムだけでなく、SaaSやネットワーク機器など社内外に散在する多種多様なシステムの特権IDを網羅的に管理することがセキュリティリスクを低減するうえで重要です。

  • 特権アクセスの場所や経路の多様化

    テレワークの普及やBCP対策の一環として、特権IDを用いたシステム運用業務のリモート化を検討する企業が増えています。弊社が実施したアンケート調査では、システム運用におけるアクセス環境について、35%の企業は社外からのリモートアクセスを実施していることが分かっています。

    グラフ(システム運用におけるアクセス環境)


    また、企業のシステムがオンプレミスだけでなくクラウドやSaaS等、社外に散在する昨今、特権アクセスをセキュアルームからのみに限定することは難しく、アクセス経路は社内・社外と多様化する傾向にあります。正規なアクセスかどうかを正確に判別したり、特権IDそのものを適切に管理しないと、サイバー攻撃や内部不正による特権IDの奪取やセキュリティインシデントの発見が遅れる事態になりかねません。

このように、さまざまなセキュリティ脅威に共通する対策として、特権ID管理の重要性はますます高まっています。自社の対策は万全と言えるでしょうか?
実際、弊社が実施したアンケートでは、特権ID管理の対策が十分と回答した企業は26%に留まり、70%もの企業が現状の対策に不十分さや課題を認識しています。過去に対策を講じていても、前述のような環境の変化によって対策が陳腐化しているケースも少なくありません。約半数の企業が特権IDを奪取・悪用され得る状況であることを鑑みると、情報漏洩等の被害が後を絶たない理由は明白です。
まずは自社の特権ID管理の状況を正しく現状分析し、適切な対策を講じていくことが重要といえます。

グラフ(特権ID管理の対策状況について)

特権IDの適切な管理のポイント

特権ID使用者の限定と識別

前述した通り、特権IDを使用してシステムの保守・運用を行える者を可能な限り限定し、多くのユーザーによって使いまわすことがないようにしましょう。可能ならば事前の申請ベースでIDを貸し出す運用にすることが望ましい状態です。 また、共有型のIDを使用する場合には、必ず使用者が識別できるような仕組みを設けることが重要です。 例えば下図のように、貸し出した記録をつけておくという方法があります。

特権ID使用者の限定と識別

適切なパスワード管理/認証強化

特権IDのパスワードは長期間変更されていないと、パスワードの漏洩等によって不正に使用されるリスクが高まります。十分な複雑性を持ったパスワードを用いて定期的な変更を行うことや多要素認証を設けることが必要です。

適切なパスワード管理

アクセスログの保存と点検

特権IDによる不正アクセスの有無をチェックするため、サーバーのアクセスログを保存・必要に応じて点検を行い、不審なアクセスがなかったかどうかを確認するようにしましょう。

アクセスログの保存と点検

【Step1】まずは現状分析から

弊社では、特権IDの管理の現状についてお客様自身でセルフチェックが可能な「5分でできる特権ID管理の現状セルフチェックシート」をご提供しています。

【Step2】より詳しく知りたい方のための情報

特権IDのリスク・管理のポイントなど、より詳しい情報が欲しい方は、特権IDについてすべてがわかる指南書「特権ID管理のAtoZ」ホワイトペーパーを是非ご覧ください。

-「特権ID管理のAtoZ」目次紹介

基礎編:特権IDのリスクを正しく理解する

  • 特権IDとは?
  • 特権ID管理不備に伴うリスク
  • 法規制やガイドラインに見る特権ID管理の必要性
  • どのガイドラインを参照すべきか?
  • ゼロトラストセキュリティと特権ID

対策編:具体的な対策を検討する

  • セキュリティの教科書では教えてくれない特権ID管理のベストプラクティス
  • 管理対象システムによって異なる留意点
  • 誤解だらけの特権ID管理対策
  • 内部不正とサイバー攻撃の両方を考慮した対策の在り方

解決編:特権ID管理強化実践のポイント

  • 特権ID管理強化を実施するためのプロセス
  • ツール導入の是非と効果測定の考え方
  • 特権ID管理ツールの選定ポイント
  • エンカレッジ・テクノロジの特権ID&証跡管理製品

【Step3】製品の情報収集をされている方はこちら

弊社は、特権ID管理ソフトウェア「ESS AdminONE(イーエスエス アドミンワン)」を開発・販売しております。本ソフトウェアは、特権IDの基本的な管理機能はもちろん、DX時代ならではの新たな要件まで包括的に満たしている点が特長です。詳細は以下よりご覧ください。

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