快適なモバイルインターネット環境を支えるオペレーションセンター
~オペレーション内容の保証・改善にESS RECが貢献~
ソフトバンク株式会社(以下、ソフトバンク)は画期的な料金サービスやスマートフォンをはじめとする多様な端末の提供によって、業界をリードし続ける携帯電話会社です。また「情報革命で人々を幸せに」を理念に快適なモバイルインターネット環境の提供を目標としネットワークの増強に努めています。
ソフトバンクではさらなるセキュリティ向上を実施し、かつオペレーションミスを減らしてより安定した保守・運用業務を実現するために、2012年オペレーションセンターにESS RECを導入、運用を開始しました。
![プラットフォーム運用本部 運用ソリューション開発部 システムネットワーク課 課長 荒起 一智 氏](/dcms_media/image/img_sbm_a.jpg)
プラットフォーム運用本部
運用ソリューション開発部
システムネットワーク課
課長 荒起 一智 氏
![プラットフォーム運用本部 運用ソリューション開発部 システムネットワーク課 福島 信人 氏](/dcms_media/image/img_sbm_f.jpg)
プラットフォーム運用本部
運用ソリューション開発部
システムネットワーク課
福島 信人 氏
本事例のポイント
《課題と選択》
通信インフラを支える、安定した運用・保守体制の必要性
全国の作業端末の一元管理とセキュリティレベルの統一
ソフトバンクの音声・データ通信を支える重要な通信インフラは、全国19 万ヵ所にもおよぶ基地局です。ソフトバンクでは、これら基地局の運用・保全を担当するオペレーションセンターを全国9ヵ所に配置し24時間365日、基地局や関係する通信設備の運用・保守業務にあたっています。
従来は、オペレーションセンターごとに作業端末の管理が一任されており、全地域の作業端末を一元的に管理する仕組みは存在しませんでした。また作業内容に対するセキュリティについても統一の基準がなく、地域によってセキュリティレベルに差がある状態でした。
「安定した通信インフラを提供し、業務にかかわる重要なデータの流出を防ぐためにも、各オペレーションセンターの作業端末を本社で一元的に管理し、セキュリティレベルも統一する必要がありました」(荒起氏)
操作ログの収集が課題に
作業端末の一元管理とセキュリティレベルの統一にあたり、ソフトバンクではオペレーション・ターミナル・サービス(以下、OTS)というオペレーションセンター向けの作業環境の構築を決定しました。
「OTSでは『個人認証、アクセス制御、操作ログの収集』という3本柱を中心に作業端末の管理と作業内容に対するセキュリティレベルの統一を目指しました」(福島氏)
OTSの構築にあたり、ソフトバンクでは作業端末の操作ログを収集できる製品を探していました。
GUIによる操作ログを動画形式で収集
製品の選定にあたってソフトバンクが最も重視したのは、GUIによる操作ログの収集が可能であるという点でした。これにはオペレーションセンターが担当する基地局の運用・保守業務にはGUIを利用した作業対象が多いことが大きく影響しています。
「ブラウザや専用のアプリケーションなど商用ノードにGUIが多いという状況の中、動画で作業内容を記録できるという点が導入の決め手になりました。またトラフィックの面でも、作業端末の台数が多い、地域間を跨いで操作ログを収集するといった場合にESS RECのデータの圧縮率は非常に素晴らしいと感じました」(荒起氏)
また、オペレーターへの配慮から、従来のオペレーションの手順を変えずにすべての作業内容の記録が可能であるという点も製品の選定では重視されました。
「他社の製品とも比較しましたが、私たちの要望に応える製品というものがエンカレッジ・テクノロジのESS REC以外には存在しませんでした」(荒起氏)
《導入と効果》
動画記録の活用でオペレーションミスの再発防止を実現
スムーズな導入作業
ソフトバンクでは2011年10月からESS REC導入に向けた検討をはじめ、OTSの運用開始に合わせて2012年4月にESS RECの運用を開始しました。はじめに関西のオペレーションセンターに導入し、残る8ヵ所のオペレーションセンターについても作業端末の調整など、OTSの運用環境が整い次第、順次導入を開始しています。
ソフトバンクではOTSに対するESS REC導入以前から、別部門でESS RECを利用していたため、導入や運用時のノウハウがありました。それに加えて、4月の導入の際にはエンカレッジ・テクノロジのプロフェッショナル・サービスを利用して導入作業を進めたこともあり、ESS RECの導入は比較的スムーズに進みました。
またESS RECの導入にあたり、各オペレーションセンターの規模に合わせてESS REC の仮想デスクトップ環境対応版と通常のクライアントPC版を使い分けることで、ESS RECの効率的な運用を実現しています。
![図 ソフトバンク](/dcms_media/image/img_sbm_ill.jpg)
動画記録で作業内容の正当性を証明
ESS RECの導入により、セキュリティ向上の目的のひとつであったGUIによる操作証跡の収集が可能になりました。
機器に異常が発生した場合、オペレーターが操作を行ったことが原因なのか、機器自体の問題なのか、切り分けが難しい場合がありました。ESS RECによる操作証跡によって、このような状況における問題発生原因の切り分けも容易になりました。
また、ESS RECの多様なテキスト形式の情報も特定の操作を検索するのに役立っています。ESS RECで収集した操作証跡はデスクトップの動画記録以外に、画面表示文字列やネットワークアクセスの状況、起動アプリケーションなどの情報を利用して検索が可能です。そのため、ソフトバンクでは臨機応変にこれらのテキスト情報を使い分け、効率的な操作証跡の確認を行っています。
オペレーションミスの原因究明に動画記録を活用
ソフトバンクではESS RECで収集した動画形式の記録をオペレーションミスが起こった際の原因究明にも役立てています。動画形式の記録であれば、第三者が客観的にオペレーションの内容を確認できます。オペレーターに操作ミスの自覚がない場合でも、動画形式の記録をもとにミスの発見や原因の究明が可能になります。
実際に、ソフトバンクではオペレーションミスが発生した場合、その原因を動画で確認しています。さらに動画という特性を活かして、コマンドボタンの位置や画面の色などオペレーションミスを誘発しやすい要因を特定し、アプリケーションの画面レイアウトなど外部仕様を改善するといった、再発防止の活動にも努めています。
《展開》
オペレーションセンターにおけるセキュリティと安定性の追求
検知ルールの活用とESS REC の利用拡大
全国9ヵ所のオペレーションセンターへのESS RECの展開に合わせて、ソフトバンクではESS RECの検知ルールの活用を検討しています。ESS RECの検知ルールとは事前にルールを設定し、ルールに抵触する作業が起こった場合に、即時に管理者に通知し、操作者のデスクトップをロックするなどのアクションを自動で行い、オペレーションミスの防止や早期発見を可能にする機能です。こうした機能を活用することで、ミスを撲滅し、より安定した基地局の保守・運用業務を実現できるとソフトバンクでは考えています。
またネットワークの増強や災害対策用の施設増強などに伴うオペレーションセンターの拡張に合わせて、今後もOTSの規模は大きくなると考えられます。ソフトバンクではそうした状況に合わせて、ESS RECの利用範囲の拡大も視野に入れています。
これからもソフトバンクは高いセキュリティレベルを維持しつつ、安定した基地局の保守・運用業務の実現に努めてまいります。
※本内容は、2012年9月時点のものです。
尚、ソフトバンクモバイル株式会社は、2015 年 7 月 1 日にソフトバンク株式会社に商号変更いたしました。
PROFILE:ソフトバンク株式会社 様
設立年月日 | 1994/04/01 |
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本店所在地 | 東京都港区東新橋1-9-1 |
URL | https://www.softbank.jp/corp/ |
事業内容 | 「No.1モバイルインターネットカンパニー」を目標に、多様化するニーズに合わせた携帯端末の販売や携帯電話向けの通信サービスを提供。プラチナバンドなど通信インフラの整備にも力を入れる。 |
導入製品 | ESS REC |
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![ESS REC 6](/dcms_media/image/jirei_rec6_logo.png)